2026.10.14
ホームページ自社更新と外注の分け方|製造業50名以下の判断基準

「サイトは作ったけれど、その後の更新は誰がやればいいのか分からない」──従業員30〜50名ほどの部品加工会社から、こういった相談をよく受けます。営業担当が片手間でサイトを触っているケースもあれば、数年前に作ったまま一切更新されていないケースもあります。
ホームページの更新作業は、すべてを自社でやろうとしても、すべてを外注しようとしても、どちらも無理が出ます。「何を内製して、何を頼むか」の線引きさえ決まれば、費用も手間も大幅に減らせます。このコラムでは、製造業・部品加工業に絞った役割分担の考え方と、具体的な費用目安を整理します。
なお、ここでいう「更新」とは、新規のサイトリニューアルではなく、既存サイトの日常的な情報追加・修正作業を指しています。
なぜ製造業のホームページ更新は止まりやすいのか
精密板金加工を手がける従業員40名ほどの会社を例に考えてみます。こうした会社では、現場のベテラン社員が「どんな材料を、どんな精度で、どう加工しているか」を一番よく知っています。一方で、そのベテランはHTMLもWordPressも触ったことがない。逆に、Webツールを扱える事務担当はいるけれど、加工の中身には詳しくない──このすれ違いが更新停止の最大の原因です。
さらに「サイトを更新する担当者」が制度として決まっていないと、誰かが気づいても「自分の仕事ではない」と後回しになります。更新が止まると、採用応募が減り、問い合わせのネタが古くなり、サイトの存在価値が薄れていくという悪循環に入ります。
自社更新に向いている作業・外注に向いている作業
ホームページの更新作業は、大きく「情報を作る仕事」と「情報を整える仕事」に分けられます。前者は内製が合い、後者は外注が向いています。
自社(内製)が向いている作業
- 加工事例の文章・写真:材料・工法・用途・納期感など、社内の人間にしか書けない一次情報です。スマートフォンで撮った写真と、担当者が書いた短い説明文でも十分な出発点になります。
- お知らせ・展示会出展情報:日付と数行のテキストで完結するため、WordPressの管理画面が使えれば問題ありません。
- 採用ページの社員インタビュー原稿:現場のリアルな声は社内でしか集められません。録音して文字起こしするだけでも、採用候補者には刺さるコンテンツになります。
外注が向いている作業
- ページのレイアウト変更・デザイン修正:CSSやテンプレートのカスタマイズは、知識なしに触ると全体が崩れるリスクがあります。
- 問い合わせフォームの設置・変更:セキュリティや送信設定が絡むため、専門家に任せる方が安全です。
- 写真の加工・バナー制作:クオリティのばらつきが会社の印象に直結するため、デザイナーに依頼する方が結果として効率的です。
- SEOを意識したページ構成の見直し:キーワード選定やページ構造の判断は、専門知識が必要です。
役割分担の判断基準:3つの問いで決める
「この作業は自社でやるべきか、外注すべきか」を迷ったときは、次の3つを自問してみてください。
- 社外の人間が代替できる情報か? 加工の仕様・現場の雰囲気・社員の声など、社内にしかない情報は内製一択です。逆に、見た目の整え方や技術的な設定は外部でも対応できます。
- 失敗したときのリカバリーに時間がかかるか? テキストを更新して誤字があっても数分で直せます。しかしデザインファイルやプログラムを壊すと、修正に数時間〜数日かかる場合があります。リカバリーコストが高い作業は外注向きです。
- 月に何回発生する作業か? 月1回以上発生する定型作業(事例追加・お知らせ更新など)は内製に適しています。半年〜年1回の非定型作業(ページ追加・デザイン改修など)は都度外注の方が経済的です。
ホームページ自社更新と外注を組み合わせた費用目安
従業員50名以下の部品加工会社が現実的に組める体制として、以下のような費用感が一つの参考になります。あくまで目安であり、制作会社やサイト規模によって変わります。
| 作業内容 | 担当 | 費用目安(月あたり) |
|---|---|---|
| 加工事例・お知らせの文章作成 | 内製(営業・総務) | 人件費のみ(1〜2時間/月) |
| 写真撮影・簡単なトリミング | 内製(スマホ可) | 人件費のみ |
| WordPressへの入力・公開 | 内製(管理画面操作) | 人件費のみ(0.5〜1時間/月) |
| デザイン修正・バナー制作 | 外注 | 1〜3万円(スポット) |
| ページ追加・構成変更 | 外注 | 3〜8万円(半年〜年1回) |
| 月次チェック・SEO確認 | 外注(月次契約) | 2〜5万円/月 |
月次の外注契約を結ぶ場合、「更新作業を丸投げ」ではなく「内製した素材をもとにプロが整える」という分業にした方が、費用対効果は上がります。加工事例の文章を社内で用意し、レイアウト調整と公開設定だけ依頼するスタイルが、コストと品質のバランスが取りやすいです。
社内の更新担当者を決めるときの注意点
担当者を決めずに「みんなでやる」にすると、現実には誰もやりません。1名を「更新担当」として明確にし、月にどれだけの時間を確保するかを決めることが先決です。

よくある誤りは、ITに詳しい人を担当にすることです。部品加工の現場を知らない人がコンテンツを作ると、「何を加工している会社か伝わらない」状態がさらに悪化します。理想は、現場経験がある人が素材(文章・写真)を作り、事務担当がWordPressに入力し、外注先がデザインを整えるという三者連携です。
また、担当者が変わっても運用が続くよう、「どのページに何を追加するか」「写真は何枚必要か」「誰に確認を取るか」をA4一枚程度の運用ルールとして文書化しておくことをお勧めします。制作会社に依頼する際に、このルール作りを含めて相談できると理想的です。
まとめ
ホームページの更新作業は「情報を作る仕事(内製)」と「情報を整える仕事(外注)」に分けて考えると、無理のない体制が組めます。加工事例・お知らせ・社員の声は社内にしかない一次情報なので内製が基本。デザイン修正・ページ構成変更・フォーム設置は失敗リスクが高いため外注が向いています。担当者を1名決め、月次の作業量を現実的に設定したうえで、外注先と役割を明確に分担することが、更新が続くサイト運用の第一歩です。費用は内製と外注の組み合わせ次第で、月2〜5万円の外注費に抑えることも十分可能です。
BtoB企業の技術発信と採用コンテンツを、制作から月次運用まで担当しています。まず現状のサイトを無料で診断します。

