2026.10.21
製造業ホームページ制作|外注と内製の役割分担と費用感

「ホームページは全部外注したのに、なぜか成果が出ない」という声を、部品加工や設備メーカーの担当者からよく聞きます。デザインも構成もプロに任せたはずなのに、問い合わせも採用応募も増えない——その原因の多くは、外注してはいけない部分まで外注していることにあります。
製造業のホームページ制作における外注と内製の費用感を整理する前に、まず「何を外注し、何を内製するか」という役割分担の考え方を押さえておく必要があります。この記事では、従業員30〜100名規模の部品加工・設備メーカーを想定し、機能する分担の条件と体制づくりの実際を解説します。
「更新が止まる」という失敗パターンも含めて、費用感を具体的に示しながら説明しますので、これからリニューアルを検討している担当者の方に参考にしていただければと思います。
なぜ「全部外注」では成果が出にくいのか
Web制作会社はデザイン・コーディング・SEOの技術は持っていますが、「御社がどんな公差でどんな材質を加工できるか」「どの産業向けの部品を得意としているか」という中身は持っていません。外注先が書いた原稿は、どうしても当たり障りのない表現になりがちです。
たとえば、精密板金加工を手がける架空の企業Aを例にとります。外注先の制作会社が書いた原稿には「高精度な加工技術で様々なニーズに対応します」と書かれていました。しかし実際には、板厚0.3mmのステンレスをレーザーで抜くことと、溶接歪みを0.1mm以内に抑える溶接後の矯正工程が強みでした。この具体性こそが、同業他社や購買担当者の目に止まるポイントです。それを外注先が拾い上げるのは、よほど密なヒアリングをしない限り難しい。
また、全部外注にすると「更新のたびに費用が発生する」構造になります。月に1件の加工事例を追加するだけで数万円かかるとなれば、担当者はだんだん依頼しなくなります。結果として、公開から半年後にはコンテンツが止まり、検索順位も採用への訴求力も失われていきます。
機能する役割分担の考え方:外注と内製の線引き
おすすめの分担は、設計・構築・SEO設定は外注、加工事例や技術コラムの原稿は内製というパターンです。それぞれの理由を整理します。
外注に任せるべき領域
- ワイヤーフレーム・デザイン:ページの情報設計やビジュアルは、専門知識が必要で内製しても品質が出にくい
- コーディング・CMS構築:WordPressなどの構築作業は、技術的なミスがサイト全体に影響する
- 表示速度・セキュリティ設定:サーバーやプラグインの管理は外注でまとめて対応する方が安全
- 初期SEO設定:タイトルタグやメタディスクリプションの設計は、最初に専門家が組んでおく
内製に切り替えるべき領域
- 加工事例・製品事例の原稿:「どんな図面で、どんな課題があって、どう解決したか」は社内にしかない情報
- 採用向けの現場紹介コンテンツ:職場の雰囲気や社員の声は、外注ライターが書いても薄くなる
- ブログ・技術トピックの更新:「よく聞かれる質問への回答」程度の内容なら、担当者が書ける
この分担が機能する条件は、CMSの操作を担当者が一人でできる状態にしておくことです。WordPressであれば、記事投稿と画像アップロードだけなら、1〜2時間の研修で習得できます。制作会社に「更新の研修も込みで依頼する」ことを最初に契約に含めておくのが重要です。
更新が止まらない体制づくりの条件
更新が止まる原因は、ほぼ決まっています。「担当者が一人」「何を書けばいいかわからない」「写真が撮れない」の三つです。
担当者の負担を下げる仕組みを設計段階で決める
更新頻度を月1〜2件に設定し、「加工事例テンプレート」を制作会社と一緒に作っておくことを推奨します。たとえば「使用材質/板厚/加工工程/難しかったポイント/納期」の5項目を埋めるだけで1件の事例記事になる構成にしておけば、担当者の負担は大きく減ります。
産業機械の部品を製造する架空の企業Bでは、営業担当者が受注後に5項目をメモアプリで記録し、月末にまとめて総務担当者がWordPressに投稿するフローを作りました。外注に頼まずに月2件のペースを1年間維持し、問い合わせフォームからの接触が増えています。
写真は「スマートフォン+簡単なライティング」で対応できる
加工品の写真は、一眼カメラでなくても構いません。白い紙を背景に置き、窓際の自然光で撮るだけで十分に使えます。制作会社に「スマートフォンで撮った写真を使う想定で、サムネイルのデザインを設計してほしい」と最初に伝えておくと、内製しやすいサイト構造になります。
費用感の目安:初期費用と運用費の考え方
製造業のホームページ制作における外注と内製の費用感は、以下を一つの参考にしてください。あくまで規模感の目安であり、要件によって大きく変わります。
| 項目 | 外注費の目安 | 内製で代替できるか |
|---|---|---|
| サイト設計・ワイヤー | 15〜30万円 | 難しい |
| デザイン・コーディング | 30〜80万円 | 難しい |
| CMS構築・初期設定 | 10〜20万円 | 難しい |
| 加工事例の原稿(初期10件) | 20〜40万円(外注の場合) | 内製推奨 |
| 月次の事例追加・更新 | 3〜8万円/件(外注の場合) | 内製推奨 |
| 月次のサーバー・保守管理 | 2〜5万円/月 | 難しい |
加工事例を外注し続けると、月2件で年間72〜192万円の追加費用が発生します。一方、内製に切り替えれば担当者の工数(月2〜4時間程度)だけで済みます。初期費用を少し多めにかけて「内製しやすいCMS構築」と「原稿テンプレートの設計」を依頼しておく方が、中長期では費用対効果が出やすい構造です。
制作会社に依頼するときに確認すべきポイント
製造業のホームページ制作で外注先を選ぶときに、費用の見積もりと合わせて確認しておきたい点があります。

- CMS更新の研修が含まれているか:投稿方法・画像アップロード・カテゴリ設定を教えてもらえるか確認する
- 原稿テンプレートを一緒に作ってくれるか:事例記事のフォーマットを設計段階で作れる会社かどうか
- 製造業のサイトを手がけた実績があるか:加工事例や技術ページの構成を理解しているかを確認する
- 保守契約の範囲が明確か:プラグイン更新・バックアップ・セキュリティ対応が含まれているか
「安く全部やってもらえる」より「内製で続けやすい設計をしてもらえる」制作会社を選ぶことが、製造業のサイトでは特に重要です。
まとめ
製造業のホームページ制作で成果が出やすいのは、設計・構築・保守は外注しながら、加工事例や現場紹介などの原稿は内製する役割分担です。この分担が機能する条件は、CMSを担当者が一人で操作できる状態と、更新が続く原稿テンプレートを最初に設計しておくことにあります。費用面では、加工事例を外注し続けると年間コストが膨らむため、初期投資で「内製しやすい環境」を作っておく方が中長期で効率的です。制作会社を選ぶときは、費用だけでなく「更新研修の有無」と「製造業の実績」を合わせて確認してください。
BtoB企業の技術発信と採用コンテンツを、制作から月次運用まで担当しています。まず現状のサイトを無料で診断します。

