2026.10.3
BtoBコーポレートサイト制作費用の相場と変動ポイント

「コーポレートサイトを作り直したいけど、いくらかかるのか見当がつかない」——製造業や BtoB 企業の担当者からよく聞く悩みです。Web 制作の見積もりは会社によってバラつきが大きく、同じような規模でも 50 万円から 500 万円以上まで開きが出ることがあります。
この記事では、BtoB コーポレートサイトの制作費用の相場感を規模別に整理したうえで、金額が上下する主な要因を具体的に説明します。相見積もりを取る前の「基礎知識」として活用してください。
BtoBコーポレートサイトの制作費用:規模別の相場
コーポレートサイトの制作費用は、大まかに「ページ数」「デザインのオリジナル度」「機能の複雑さ」の掛け算で決まります。製造業・BtoB 企業に多い規模感ごとに相場を整理すると、次のように分けられます。
- 小規模(10〜20ページ程度):30万〜80万円――会社概要・事業紹介・お問い合わせ程度のシンプルな構成。テンプレートベースのデザインが中心。
- 中規模(30〜50ページ程度):80万〜200万円――製品・サービス紹介を複数カテゴリに分け、採用ページや事例紹介も設ける構成。BtoB サイトで最も多い価格帯。
- 大規模(50ページ超/多機能):200万〜500万円以上――グローバル対応・多言語化、製品データベース、会員機能、社内システムとの連携などを含む構成。
なお、上記はあくまで「制作費用」のみです。ドメイン・サーバー費用、写真撮影、コンテンツ原稿の作成費、公開後の保守費用は別途かかる場合がほとんどです。
金額が上がる主な要因5つ
見積もりが想定より高くなるケースには、共通したパターンがあります。どの要因が自社に当てはまるかを把握しておくと、予算計画が立てやすくなります。
① フルオリジナルデザイン
デザイナーがゼロからデザインを起こす「フルオリジナル」は、テンプレート活用に比べて 30〜100 万円程度高くなる傾向があります。製造業では「技術力・信頼感を伝えたい」という要望が多く、オリジナルデザインを選ぶケースが増えています。ただし、表現したいブランドイメージが明確でない段階でオリジナルを発注すると、修正回数が増えてコストが膨らみやすいため注意が必要です。
② 写真・動画の制作
製造業のサイトは、工場・設備・製品の写真がコンテンツの核になります。プロカメラマンによる撮影は半日〜1日で 10〜30 万円程度が目安。製品動画を加えると、さらに 30〜100 万円以上かかることもあります。ストック素材で代用するとコストは下がりますが、「どこかで見た感」が出てしまい、差別化が難しくなる点はトレードオフです。
③ 多言語対応・グローバル展開
英語・中国語など複数言語への対応は、翻訳費用だけでなく CMS の設計コストも増えます。日英 2 言語で追加 50〜150 万円程度を見込んでおくと現実的です。輸出比率の高い製造業では近年ニーズが高まっています。
④ CMS のカスタマイズ度
WordPress などの CMS を使う場合でも、標準機能だけで済む構成か、製品カタログの絞り込み検索や問い合わせフォームの複雑な分岐など「作り込み」が必要な構成かで費用が大きく変わります。カスタムの機能開発が入ると、1 機能あたり 20〜80 万円程度の追加コストが発生することがあります。
⑤ コンテンツ制作のサポート範囲
原稿(テキスト)を自社で用意できる場合と、制作会社にライティングまで依頼する場合では 20〜60 万円程度の差が出ます。製造業では専門用語の整理や技術説明の言語化に時間がかかるため、外部ライターへの依頼が有効なケースもあります。
逆にコストを抑えるポイント
予算が限られている場合でも、工夫次第でクオリティを落とさずにコストを管理できます。
- サイトマップを自社で作る:ページ構成を制作会社任せにすると設計費が上がります。「どのページが必要か」を事前に整理して渡すだけで、ディレクション費用を抑えられます。
- 既存の写真・資料を活用する:カタログやパンフレット用に撮影した写真があれば、流用できるか制作会社に確認しましょう。
- フェーズを分けて発注する:最初から全機能を盛り込もうとせず、公開後のアクセスデータを見ながら段階的に機能追加する方法もあります。初期費用を抑えつつ、実績に基づいた投資ができます。
- 更新作業を内製化できる CMS を選ぶ:公開後の更新を制作会社に都度依頼するとランニングコストが積み上がります。担当者が自分で更新できる環境を最初に整えておくことが重要です。
製造業・BtoBサイト特有の注意点
一般的なコーポレートサイトと比べて、製造業・BtoB サイトには固有の考慮点があります。発注前にあらかじめ制作会社と確認しておきましょう。

「問い合わせ獲得」を設計の軸にする
BtoC サイトと違い、BtoB のコーポレートサイトは即購入ではなく「問い合わせ・資料請求・商談」への誘導が最終目標です。問い合わせボタンの配置、フォームの入力項目、ダウンロード資料の設計など、コンバージョン設計に強い制作会社を選ぶことが成果に直結します。
SEO・検索流入の設計も予算に含める
新規サイトをただ公開するだけでは、検索エンジンからの流入はすぐには増えません。ターゲットキーワードを意識したページ構成や、技術ブログ・事例記事などのコンテンツ設計を初期段階から考えておくと、長期的な費用対効果が上がります。SEO 対応を後から追加すると、構造の作り直しで余計なコストがかかることもあります。
保守・運用費用も必ず確認する
制作費用が安くても、月々の保守費用が高い契約になっているケースがあります。セキュリティアップデート、バックアップ、軽微な修正対応などが月額でどこまでカバーされるかを必ず事前確認してください。目安は月 1〜5 万円程度です。
まとめ
BtoB コーポレートサイトの制作費用は、規模やデザイン・機能の要件によって 30 万円から 500 万円以上まで幅があります。金額が上がる要因(オリジナルデザイン・撮影・多言語・カスタム機能・ライティング)を把握したうえで、自社の優先順位を整理することが大切です。製造業のサイトでは「問い合わせ設計」と「SEO 設計」を最初から組み込むことが、投資対効果を高めるポイントになります。制作会社への相見積もりを取る際は、費用の内訳(制作・撮影・ライティング・保守)を項目別に確認するよう心がけてください。

